美的なもの

「行為」は美学にとって真っ当な主題と言えるのか

7月27日土曜日に大妻女子大学で、「美と行為」をテーマにした公開ワークショップに登壇します。 6月はじめの勉強会で、「美的行為論の論文を書いている」と森さんにお話したところ、5人も登壇者が集まり、難波さんにおしゃれポスターを用意していただき、あ…

美しいものに感動する義務?

美的に良いアイテム(優美な絵画、壮大な自然風景、etc.)に、「感動すべきだ!」と言うことはよくあるが、そこには本当に義務と呼べるようなものがあるのだろうか。 サウサンプトン大学のダニエル・ホワイティング[Daniel Whiting]は、美的理由をめぐってよ…

美しいもの、もっと美しいもの

美的理由についての前置き 快楽主義 エンゲージメント理論 共同体主義理論 ネットワーク理論 ✂ コメント 参照文献 美的価値についての議論は引き続きたいへん盛り上がっているが、次の事実は意外なほどに無視されている。すなわち、美しさや優美さは比較・ラ…

後期シブリーの美学

フランク・シブリー[Frank Sibley]の名前と結びつけられた仕事として、真っ先に思いつくのは「Aesthetic Concepts」(1959)と、その実質的な続編にあたる「Aesthetic and Nonaesthetic」(1965)だろう。前者は、美学者としてのキャリアの最初期に書かれた論文…

美的なものと芸術的なもの

1 美学は芸術の哲学なのか? 2 芸術抜きの美学? 3 美学抜きの芸術? 4 ビアズリー、ディッキー、シブリー 5 美的なものと芸術的なもの、その後 参考文献 1 美学は芸術の哲学なのか? 博士論文(80,000 words)をあらかた仕上げて予備審査に出したので、ゴキ…

美しいものは喜びに適合している?:美的価値についての適合態度分析

美的価値とはなんぞやをめぐる、最新の研究です。*1 「美しい」「崇高である」「パワフルである」といった美的価値については、しばしばそれによって引き起こされる反応の観点から説明されてきた。すなわち、美しかったり優美だったりして美的に良いものとは…

美的なこだわりを持つことの利点?

美的にオープンマインドであること 芸術鑑賞を含む美的実践においては、オープンマインドであることが大事だと言われがちだ。偏見を持ってより好みするのではなく、どんなものでも受け入れて楽しむだけの余裕と寛容さを持つこと。それが、美的生活を豊かに営…

Make me feel goodなもの

いい気分だ 分かってんだぜ ──── I Got You (I Feel Good) - James Brown 先日の応用哲学会で、美的価値論に関わる発表をしてきた。 趣旨としてはこの文脈でモンロー・ビアズリーを読み直す、というものだったが、コメントの多くはその前提、既存の反快楽主…

美的に画一的な世界

1.ネハマスの悪夢 ネハマスの悪夢という、分析美学では有名な話がある。*1 もし美的判断が普遍的同意を要求するのであれば、理想的には、皆があらゆる正しい判断を受け入れるだろう。つまり、完璧な世界では、われわれはみなまったく同じ場所に美を見出すこ…

レジュメ|Moonyoung Song「美的説明の選択性」(2021)

Moonyoung Song「美的説明の選択性」(2021)のレジュメ|Song, Moonyoung (2021). The Selectivity of Aesthetic Explanation. Journal of Aesthetics and Art Criticism 79 (1):5-15.|広く認められているように、芸術作品が特定の非美的性質を持つことは…

レジュメ|Brian Laetz「ケンダル・ウォルトンの〈芸術のカテゴリー〉:批評的注釈」(2010)

Laetz, Brian (2010). Kendall Walton's 'Categories of Art': A Critical Commentary. British Journal of Aesthetics 50 (3):287-306. 久々にケンダル・ウォルトン「芸術のカテゴリー」を読み直し、「あれ、こんな立場だっけ」と気になる点があったので、…