2025-01-01から1年間の記事一覧
サッカー選手たるもの、なるべく多くゴールを決め試合に勝たなければならないように、哲学者たるもの、なるべく評価されているジャーナルになるべく多く論文を載せなければならない。現代英語圏の哲学はすっかり制度化されており、講義のレポートから学会報…
『Ergo』に掲載された論文「醜さははらわたのなかにある」で、ライアン・P・ドラン[Ryan P. Doran]は醜さという性質を分析している*1。 美学の歴史において、美しさについての分析はいくらでもあるのに対し、それと対をなすと広く認められている醜さについて…
ここ数年追っている美学研究者のひとりにパノス・パリス[Panos Paris]がいる*1。美的価値という現代的なトピックがアメリカ美学会を中心に盛り上がっているなか、「美」という伝統的な主題についてかなり熱心に書いているイギリスの方だ。最近の『British Jo…
論文が出ました。きょうと視覚文化振興財団編集・発行の『美術フォーラム21』51号に載っています。 「「美的」って何?」と題した、the aestheticの特集号で、私の担当章では美的価値と美的快楽の関係をめぐる、近年の議論を紹介しています。美しいものは、…