あけましておめでとうございます。6年目の「面白かった映画選」です。
2019年は修士論文を書くという一大タスクがあったため、年間で実に72本しか観れていないという暴挙。
年間100本も観てないやつの映画レビューなんて興味ないですもんね
今年もやります、面白かった映画選2016 - obakeweb
反省とともに、面白かった映画5本を紹介させていただきたく存じます次第です。ところで昨年は相対的にも当たりが少なく、満点評価がゼロ(再鑑賞の『アンダーグラウンド』を除く)というのも遺憾ポイント。ともあれ、タル・ベーラ、レオス・カラックスをはじめとして、よかったものは抜群によかったです。
- タル・ベーラ『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(2000)★4.7
- レオス・カラックス『ポンヌフの恋人』(1991)★4.7
- ミヒャエル・ハネケ『セブンス・コンチネント』(1989)★4.4
- 岩井俊二『スワロウテイル』(1996)★4.4
- ハル・ハートリー『トラスト・ミー』(1990)★4.4
タル・ベーラ『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(2000)★4.7
見世物のクジラ(でかい)がやってくる話。
劇場初上映で上陸した『サタンタンゴ』(1994)もバキッバキであったハンガリーのタル・ベーラ監督。
『ヴェルクマイスター・ハーモニー』は同監督では割に見やすい作品。一つの大きな謎を囲んで、その周囲がわちゃわちゃするというシステム。中心はブラックホールのように暗く、引きずりこまれそうになる。
レオス・カラックス『ポンヌフの恋人』(1991)★4.7
ホームレスの男女が橋で共同生活する話。
2018年度「面白かった映画選」では『ホーリー・モーターズ』が選出されたレオス・カラックス監督。ウェルベック的な露悪が垣間見えるあたり、心憎い作家だ。
ポンヌフは、いやはや名声に違わぬ傑作。物語、演出、音楽、編集、どれをとっても映画であり、映画そのもの。
ミヒャエル・ハネケ『セブンス・コンチネント』(1989)★4.4
ぼのぼのした家族の話。
今年の遊撃手枠、ミヒャエル・ハネケ監督。『愛、アムール』(2012)も、ガツンとくる作品であった。すごくユニークな作家だと思う。
不意打ち、という形容がふさわしい奇作。映像のリズムが素晴らしく、のっぺりしているのにグルーヴィだ。
岩井俊二『スワロウテイル』(1996)★4.4
在日中国人たちが東京砂漠でしのぎを削る話。
マンガ的・アニメ的で、よくもわるくも邦画的。すごくストレートな「物語」であった。
ハル・ハートリー『トラスト・ミー』(1990)★4.4
フリーターの男とマセたJKがあれこれする話。
ハル・ハートリーに対する偏愛はとどまるところを知らない。去年観ても面白かった、今年観ても面白い。面白ざるをえないので、もう殿堂入りにしてもいいのではないかと思ってきた。
ハルはジョークの飛ばし方が村上春樹的なので、日本人ウケがいいこと間違いなし。
その他、思い出
ホラー映画をよく観ていました。『サスペリア』(1977)や『エクソシスト』(1973)もよかったし、『死霊のはらわた』(1981)はめちゃめちゃ笑った。
駒場映画館(10号館の映像資料貸し出しコーナーのこと)ではエリック・ロメールを見漁った。『夏物語』(1966)が一番良かったかな。
上述のタル・ベーラ『サタンタンゴ』のために、イメージフォーラムで費やした8時間はなかなかの思い出。こちらも楽しみにしていた『ママと娼婦』(1973)の220分は、しかし、まじでしょうもなかった。
新作上映だと、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』はなかなかの佳作だった。というか、それ以外、ほとんど新作をチェックしていないことが発覚し、びびっている。
リバイバルでヤスミン・アフマド『タレンタイム』(2009)を再鑑賞できたのもよかった。あれは文句なしの傑作だ……。あと、ギヨーム・ブラック『女っ気なし』(2011)、『優しい人』(2013)もようやく観れた。これからフォローしていきたい監督の一人。
今年の計画:スターウォーズ最新作は気が向いたらチェック。ポン・ジュノの『パラサイト』はめちゃめちゃ楽しみ。ノーランの新作が出るとかでないとか。なにより楽しみなのは、アンジェイ・ズラウスキー『ポゼッション』(1981)のリマスター&リバイバル。この記事を書き終えたら観に行きます(メタ展開)。
いい年になりますように!🎬