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インターネットと美学研究

Album Review:Gus Dapperton『You Think You're a Comic!』2018/2

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 NYのインディー・ポップSSW、Gus Dappertonの新作EP。

 コーラスに繋いだエレキギター、ラフ&タイトなビート、チープでノスタルジックなシンセ。14分ほどの短いEPには、2010年代後半戦の”ナウい”音がこれでもかと詰め込まれている。Mac DeMarcoのDIY精神と、King Kruleの荒々しさを持つ男。これで97年生まれ……末恐ろしい。Rex Orange Countyと並ぶ、新世代インディーの要チェックSSW。

 ゆるいダンスチューンが聴けるのは、リードトラックの#1「Prune, You Talk Funny」と#3「Amadelle With Love」。間を挟むのはエモーショナルに歌い上げられるバラード#2「I Have Lost My Pearls」、最後は多重録音による弾き語り曲#4「Beyond Amends」。場違いな感じのシンセサイザーによって繋げられる4曲は、どことなく不器用な印象を与える。しかし、この「不器用さ」の表象こそ、Gusの音楽における真髄ではないだろうか。飛び交う自意識、騒がしい都会での暮らし、いつもの友人たちと、いつものお店、いつもの感情。高いQOLと一緒にある種の”歪み”を抱えて生きる、サブカル男女のための音楽。誰のためでもなく、自分だけのために踊れ。